警備員配置基準は、警備業務の質を保ち安全性を確保することを目的に定められています。
重大な事故が起こるリスクの高い現場に、一定数の警備業務検定合格者を配置することを義務付けるのが主な内容です。
警備業務検定は6種類あり、それぞれに1級・2級があります。
警備業務検定合格者の警備業での需要は高く
安全で質の高い警備を行うには欠かせません。
本記事では警備員の配置基準について解説し、配置基準と関わりが深い資格である警備業務検定についても紹介します。
警備員配置基準とは
警備員配置基準とは適切な警備業務が行われるのを目的としたもので、警備業法の関係規則にて定められています。
具体的な内容は警備業を営む者に対し、警備現場ごとに警備業務検定1級・2級に合格した警備員を一定数配置することを義務付け、違反すると罰則があります。
警備員配置基準の対象になる現場は、警備員が配置される現場の全てではありません。
空港などトラブルが発生すると重大な事故につながるリスクの高く、高い警備スキルが必要になる現場が対象になります。
警備業務検定は6種類に分かれており、従事する現場によって必要な警備業務検定が異なります。
警備員配置基準はリスクの高い現場における警備の質を保ち
社会の安全を守ることにつながる非常に重要な規則です。
警備業務検定とは
警備業務検定は、警備業務の質の向上・社会的信用の向上を目的として制定された国家資格です。
警備員自体は資格がなくても働くことができる仕事ですが、警備員としての能力を国家資格として評価するものが警備業務検定です。
警備業務検定は警備の対象ごとに6種類あり、それぞれに1級・2級があります。
2級の受験には特別な条件はありませんが、1級の受験には警備業務検定2級合格者でかつ1年以上の実務経験が必要です。
検定合格者は需要が高く任される現場の種類も増えるので、仕事の幅が広がり転職の際にも有利になります。
1級は現場のリーダー的な役割も担うことができるので、将来的にキャリアアップを目指したいと考える方は1級まで取得することをおすすめします。
警備業務検定を受けるには以下の2点の方法があります。
1. 公安委員会が直接行う検定(略称:直検)を受検
公安委員会が行う実技試験および学科試験を受験する方法です。取得にかかる時間と費用を抑えることができるのがメリットです。
直検はテキストなどを用いて自己学習しないと合格は難しいので、働きながら勉強するのは大変だと感じる方もいるかもしれません。
講習を受ける時間が取れない方、自己学習が得意な方におすすめの方法です。
2.各都道府県協会が行う特別講習会を受講する
講習会を受講後に、修了考査を受ける方法です。
修了考査までにかかる時間は、現在警備員として働いているかどうか・受ける検定によって異なりますが数日間かかります。
修了考査に落ちた場合は講習会受講証明書が発行されるので、発行後1年間の間に1回だけ再講習を受講することができます。
合格に必要な内容を講習で学ぶことができるので効率は良いですが、講習を受ける時間と費用がかかります。
分からないところをサポートしてもらいたい方は、講習会の受講がおすすめです。
警備会社によっては資格取得への支援を行っている所もあるので、働きながら資格を取得することもできます。
警備業務検定は需要が高い国家資格であり、警備業界での信頼性や評価も上がるので取得するメリットの大きい資格です。
警備業務検定の種類
警備業務検定には警備の対象ごとに6つの種類があります。それぞれの検定について詳しく解説します。
施設警備業務検定
施設(機械警備と空港の警備を除く)の事故の発生を警戒し防止するために必要な知識および能力を問う検定です。
雑踏警備業務検定
イベントなどでの事故の発生を警戒し防止するために、必要な知識および能力を問う検定です。
交通誘導警備業務検定
車通りの多い工事現場などでの事故の発生を警戒し防止するために、必要な知識および能力を問う検定です。
空港保安警備業務検定
空港等施設において航空機のハイジャックなどの事故の発生を警戒し防止するために、必要な知識および能力を問う検定です。
貴重品運搬警備業務検定
現金やその他の貴重品を運搬する時に、盗難などの事故の発生を警戒し防止するために必要な知識および能力を問う検定です。
核燃料物質等危険物運搬警備業務検定
核燃料物質などの危険物を運搬する時に、盗難などの事故の発生を警戒し防止するために必要な知識および能力を問う検定です。
警備業務検定の取得難易度は?
業務検定の種類によりますが、合格率は直検の場合は20〜40%、講習会の修了考査は60〜80%程度です。
試験対策は必要にはなりますが
国家資格の中では比較的難易度は高くない資格です。
ただし1級は2級を取得後1年の実務経験がないと受けられないので、まずは2級を取得して実務経験を積むようにしましょう。
警備業務検定合格者を配置しなくてはならない現場の例
この項目では、具体的に警備業務検定合格者を配置しなくてはならない現場について解説します。
交通誘導警備業務
高速自動車国道、自動車専用道路、その他公安委員会が必要と認めた場所では、場所ごとに1級もしくは2級の交通誘導警備業務検定合格者を1人配置する必要があります。
雑踏警備業務
一定の規模があり多くの人が集まる場所ごとに、1級もしくは2級の雑踏警備業務検定合格者を1人配置しなくてはなりません。
施設警備業務(防護対象特定核燃料物質取扱施設)
敷地内に、施設警備業務検定1級合格者を1人配置する必要があります。
加えて、敷地内にある防護対象特定核燃料物質取扱施設ごとに、1級もしくは2級合格者を1人以上配置しなくてはなりません。
施設警備業務(空港)
空港ごとに、施設警備業務検定1級合格者を1人配置することが定められています。
敷地内の旅客ターミナル施設または空港の部分ごとに、1人以上の1級もしくは2級の合格者を配置しなくてはなりません。
運搬警備業務
現金を運搬する車両ごとに、貴重品運搬警備業務検定1級もしくは2級の合格者を1人乗車させる必要があります。
空港保安警備業務
空港保安警備検定1級合格者を、場所ごとに1人ずつ配置することが定められています。
他にもエックス線透視装置が設置される場所ごとに、1級もしくは2級合格者を1人以上配置しなくてはなりません。
警備員配置基準の中での検定合格警備員の役割は大きい
一定の資格者を配置することを定めることで警備の質を保ち、人や建物の安全を確保する目的で警備員配置基準は制定されています。
警備業務検定合格警備員がいないとできない現場も多く、検定合格警備員は警備の現場で重要な存在です。
検定に合格すれば給料やキャリアアップにも繋がりやすいので、今後警備の仕事を続けたい方は警備業務検定の取得も検討してみてください。
警備員として働く前に検定を受けたいと考える方もいるかもしれませんが、現場で働いた方が学習内容のイメージも付きやすいので、働いてから取得することをおすすめします。
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人や車の交通量の少ない住宅街での警備がメインなので、未経験でも少しづつ警備の仕事に慣れることができます。
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