「警備員は危なそうな仕事だから、護身術ができないと無理なのかな?」と思われる方もいるかもしれません。
結論からいうと、護身術や武道の心得がなくても警備員にはなれます。
たしかに警備員にとって護身術は、自分や周囲に危害を加える不審者が現れた時のために必要です。
未経験でも大丈夫な理由は、警備員として働く前の研修には護身術が含まれているためです。
研修は法律で義務になっているので、警備員になれば必ず護身術は学べるので安心してください。
この記事が「警備の仕事に興味があるけれど、怖いから不安」という方の参考になれば幸いです。
なぜ警備員に護身術は必要なのか
万が一の時に自分や周囲の安全を確保するために、警備員の研修では護身術を学びます。
護身術を学べば、緊急事態の対応に自信がつくでしょう。
危険から自分の身を守るため
自分に危害を与えるリスクのある人に遭遇した時に、自分の身を守るために護身術は必要です。
警備員が相手にする人は、必ずしも好意的な人とは限りません。
不審者の対応をするときに、相手から思わぬ攻撃を受ける場合もあり得ます。
もし身の危険を感じた時に護身術を学んでいれば、ケガのリスクを下げられます。
相手を刺激しすぎず自分の安全を守るために、護身術は役立つでしょう。
警護対象や周りにいる人の身を守るため
不審者から他の人を守る際に、護身術や合わせて学ぶ救急蘇生が役立ちます。
犯罪を目撃したら警察に通報しますが、警察が来るまでの初期対応は警備員が行わなくてはなりません。
護身術を用いて適切に対処できれば、周囲の人を守ることにつながります。
また、警備員の研修では、護身術と同時に救急蘇生法も学べます。
万が一仕事中に救急蘇生を必要とする人がいた時に、適切な対処ができるようになります。
警備員の研修で学ぶ護身術や救急蘇生法は、自分と周りの人を守るために重要な技術です。
キャリアアップに必要
将来キャリアアップをしたいと考えている方は、護身術を積極的に学んでおきましょう。
警備員のキャリアはさまざまですが、教育担当者として出世することも可能です。
教育担当者になれば、護身術を新人警備員に教えることになります。
指導・教育する立場へ出世したいと考えている方にも、護身術の知識は必要です。
警備員の護身術:素手(徒手)で行う場合
警備員が用いる護身術は、素手と道具を用いた二種類あります。
はじめに、素手(徒手)で行う護身術の基本を解説します。
基本の構え(正面)
不審者への対応時に用いる、攻撃されてもすぐに動ける姿勢です。
正面を向いた姿勢から左足を少し前に出し、次に右足を半歩前に出します。
足同士の間隔は、かかとからつま先までの長さ程度にします。
両手はリラックスして自然に下げて、不審者から目を離さないようにしてください。
膝はピンと伸ばしすぎず、いつでも動けるようにしておきます。
基本の構え(左または右)
より強く警戒が必要な場合は、体を斜めに構えるようにしてください。
右斜めの時は基本の構えから右足を半歩前に出し、左足はかかとを少し内側に動かして身体を斜めにします。
逆に左斜めに向きたい時は左足を前に出して、右のかかとを内側に動かせば大丈夫です。
基本の構えと同じく膝は伸ばしすぎず、警戒を怠らずいつでも動けるようにしてください。
攻撃されたときに防御する技
相手が右手で胸を突こうとしてくる場合に使う方法が、「後ろさばき」です。
相手の動きに反応が遅れた時や近くにいる場合で、後ろに下がるスペースがある時に行います。
まずは、正面に向かって構えます。
右足を左斜め後ろに引きながら、同時に左足も少し引いて身体を右に開いてください。
左手刀で相手の前腕を打ち払い、突きの軌道を逸らします。
左手は胸の高さ、右手は腰に置いて、攻撃にすぐ対応できる姿勢を取ります。
掴まれたときに離脱する技
掴まれてしまった時に用いる離脱技は、パターン別にいくつかあります。
「肘寄せ」「片手内回し」「片手外回し」:手首を掴まれたら使う技です。体を回転させながら、相手の手を打ち払って離れます。
「突き離し」:襟元を掴まれそうになった時の離脱技です。相手の体を突き離して離脱します。
「体沈め」:後ろから抱きつかれた時の技です。膝を曲げて体を低くし、拳を相手の目の高さまで振り上げて離れます。
護身術は、状況に合わせて使い分ける必要があります。
最初は難しいと感じたとしても、警備員として働く前に研修があるので心配しなくても大丈夫です。
警備員の護身術:道具を用いる場合
護身のための道具は相手が武器を持っていたり、明らかに体格差が大きかったりなど特別な場合に用いられます。
用いられる道具は警戒棒や警戒杖、さすまた、非金属性の盾などです。
警戒棒や警戒杖はけん制のために使われますが、緊急時は打撃に用いる場合もあります。
さすまたは2〜3メートル程度の長さで、先端に大きなU字型の金具がついた護身用具です。
刃物などの危険物を持っている場合に、相手との距離を取りながら取り押さえる時に用いられます。
また、護身術の道具は使い方だけではなく、いつ使っていいかを判断する力も大切です。
護身術で使う道具は、どのような警備業務に就いているかによって異なります。
道具を用いた護身術は状況的に必要で、かつ許可されている場合のみ用いられています。
警備員の護身術のルール
警備員の護身術は、あくまで自分や周囲の安全を守るために使う技術です。
本来の目的から逸脱しないためのルールがありますので、ぜひ知っておいてください。
あくまで防御が目的
護身術は危険からの防御が目的であり、積極的に攻撃しダメージを加えるものではありません。
相手から攻撃を受けた時に限り、身の安全を守る目的で護身術を使用します。
また、護身術を覚えたからといって過信しすぎないことも大切です。
対処が難しいときは離れて応援を呼ぶなど、臨機応変な対応を行うようにしてください。
自分の身を守るという意味では、護身術に限らず日ごろから体力づくりをしておくのもおすすめです。
体力や筋力がつけば、万が一の時にスムーズに対応しやすくなります。
護身術は自分や周りの身を守るためだけに用いるということは、警備員なら必ず覚えておいてほしいルールです。
護身用具は許可された場合のみ所持できる
公安委員会からの許可がある場合のみ、道具を用いた護身術が行えます。
護身用の道具を携帯できる許可が下りるかは、業務内容によって変わってきます。
たとえば、交通誘導や雑踏警備では警戒棒の許可はありません。
一方で施設警備や現金輸送、ボディガードのような仕事では許可の下りるケースがあります。
業務内容によって必要と判断され、許可が下りた場合のみ護身用具が使用可能です。
まとめ:研修で護身術を学んで安心して警備をしよう!
万が一自身の身に危険が及んだ時のために、警備員は護身術を身につける必要があります。
警備員の護身術は、素手もしくは特別な道具を使った二通りの方法があります。
大切なのは、護身術は自分や周りの人を守るためにだけに使うということです。
護身術は難しそうだし、危なそうだから大丈夫かなと思う方もいるかもしれません。
必ず研修で護身術は学べるので、未経験でも心配しなくて大丈夫です。
また、警備員の研修では護身術以外にも緊急の時に役立つ救急蘇生法も教えてもらえます。
仕事に限らず知っておくと役立つスキルばかりなので、研修で学べるのは有益といえるでしょう。
働き方サイトでは、警備の現場で一緒に働ける方を募集しています。
さまざまな年代が活躍していて働きやすい現場が多く、初めて警備の仕事に就く方も大歓迎です。
研修も充実しており、学びたい意欲を大切にしスキルアップも目指せる職場です。
警備の仕事に興味のある方は、ぜひご相談ください。