警備員における8つの欠格事由とは?警備業法をもとに解説!

警備員における8つの欠格事由

欠格事由に該当する場合は、警備員になれません。そのため警備員を目指す場合は、8つの欠格自由を把握して、自分が当てはまらないか確認しましょう。

現在、欠格事由に該当する場合は、欠格事由に当てはまらない状態になってから、警備員になるようにしてください。

警備マン

この記事では、警備業法で定められている欠格事由について法律の原文をもとにわかりやすく解説します。

さらに欠格自由を偽った場合の処罰や、警備員の欠格事由に関する質問にも回答します。

目次

【警備業法における欠格事由8つ】警備員になれない人の条件とは?

警備業法における欠格事由とは、警備業法第2章の第3条にある「警備業の要件」の箇所で確認できます。ここでは警備業法をもとに、警備員の欠格事由を8つ解説します。

18歳未満の人

18歳未満の人は警備員になれません。

また高校生は欠格事由として定められていないため、18歳であれば高校生でも警備員になることができます。

しかし、会社のルールや学校のルールによって警備員として働けない場合もあるので、18歳以上で高校生の場合は、確認をしてみましょう。

警備員法第3条の8項
「営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者」は、警備業を営んではならない
※民法第4条には、「年齢十八歳をもって、成年とする。」と記されており、未成年者とは18歳未満の人をさす※警備業法の第14条の1項にも、18歳未満の者は警備員になってはならないと定められている

自己破産手続き中の者

自己破産手続き中の人は警備員になれませんが、免責許可決定(復権)後は警備員になれます。

裁判所に申請して、破産手続きの開始決定が認められると法律上は「破産者」扱いとなります。

破産者は法律により資格や職業が制限されるので、警備員の仕事に就くことはできません。

自己破産の手続きがすべて完了すると、裁判所から「免責許可決定」の通知が届きます。

「免責許可決定」とは借金返済の責任が免除され、「破産者」の扱いから「復権」することです。

それにより資格や職業の制限も解除されます。

つまり、自己破産の手続きを弁護士や司法書士に頼んで、裁判所から免責許可決定の通知が届くまでの間だけは、警備員として働けないということです。

その期間は、約3ヶ月~1年といわれています。

警備員法第3条の1項
「破産手続き開始の決定を受けて復権を得ない者」は、警備業を営んではならない

刑務所を出所してから5年以上たっていない者

犯罪を犯して服役した場合、刑務所を出所して5年以上経っていない人は、警備員になれません。

また、執行猶予の判決が出た場合は、執行猶予期間が終わらなければ警備員になれません。

警備員法第3条の2項
「禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して5年を経過しない者」は、警備業を営んではならない

直近5年間で警備業法に違反した者

過去5年以内に警備業法で定められている規定や命令、処分などに違反した者は、警備員の仕事に従事できません。

これは警備業法の違反に関しての規定です。

したがって欠格事由第3とは違い、実刑になるかならないかは関係ありません。

違反した時点で、欠格事由の対象になります。

警備員法第3条の3項
「最近五年間に、この法律の規定、この法律に基づく命令の規定若しくは処分に違反し、又は警備業務に関し他の法令の規定に違反する重大な不正行為で国家公安委員会規則で定めるものをした者」は、警備業を営んではならない
※この法律とは、警備業法を指す

集団でまたは常習的に警備業法違反を犯す恐れのある者

「集団的に又は常習的に暴力的行為をする者」は欠格事由とみなされ、警備員にはなれません。

具体的には半グレなどの反社会的集団に属している人や、暴力行為を繰り返す恐れのある人を指します。

特定の集団に所属していなくとも、傷害事件で何度も逮捕歴のある者も含まれます。

警備員法第3条の4項
「集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者」は、警備業を営んではならない

暴力団員と関わりがある者

暴力団の構成員及び暴力団にかかわりのある者は、警備員になれません。

また、元暴力団員が警備員になるためには、脱退後3年以上が経過する必要があります。

暴力団の構成員ではなくとも『関わりがある』だけで警備員になれない可能性があるため、注意しましょう。

普段から暴力団と関わりを持たないことが大切です。

警備員法第3条の5項
「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第十二条若しくは第十二条の六の規定による命令又は同法第十二条の四第二項の規定による指示を受けた者であつて、当該命令又は指示を受けた日から起算して三年を経過しないもの」は、警備業を営んではならない

アルコールや薬物の中毒者

アルコール依存症や薬物中毒の人は、警備員になれません。

薬物とは具体的に大麻、覚せい剤、アヘン、ヘロインなどの麻薬を指します。

ただし、アルコール依存症に悩んでいた過去や薬物を使用した経験がある人でも、回復したことを示す医師の診断書があれば警備員の仕事につける場合もあります。

アルコール依存症や薬物中毒から回復して警備員になりたかったら、まずは医師に相談しましょう。

警備員法第3条の6項
「アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者」は、警備業を営んではならない

心身に障害を抱え、警備業務を正しく行うのが難しい者

心身に障害を抱える人は、警備員になりたくともなれない場合があります。

ここでいう具体的な心身の障害とは、うつ病や統合失調症などです。

けれども、あくまでも「警備の仕事が適正に行えないレベルであるならば」との但し書きがついています。

したがって、このケースも医師の診断により問題ないと判断されれば、警備員の仕事に就けます。

警備員法第3条の6項
「心身の障害により警備業務を適正に行うことができない者として国家公安委員会規則で定めるもの」は、警備業を営んではならない

欠格事由を偽って警備員になるとどうなるか?

欠格事由に該当しないことを偽って警備員になると、資格を取り消されたり、警備員として働けなくなったりします。

さらに警備員の申請書に嘘を書くと、30万円以下の罰金の支払いを命じられる可能性もあるため注意が必要です。

また資格を取り消されたあとも、それを無視して警備業を続けると、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

申請書で虚偽の内容を記載したり、資格取り消し後に警備員として働いたりしないように注意しましょう。

警備員の欠格事由に関連したQ&A

警備員の欠格事由に関連した質問に回答します。

外国人も警備員になれるのか?

日本の法律では、国籍に関係なく警備員の仕事に従事できます。

外国籍を持っている人の中には、滞在期間やビザの関係もあり、長くは勤務できない人もいるでしょう。

しかし、そのような方でも積極的に採用している警備会社があります。

短い期間だけでも働きたいと思っている外国籍の方は、警備会社に問い合わせてみるといいでしょう。

60代以上でも警備員になれるのか?

警備員の年齢に上限は定められていません。

つまり、60歳以上でも警備員の仕事に従事できるということです。

人生100年時代と言われる現在、定年後もまだまだ体力、気力ともに充実している方が多くいらっしゃいます。

そのような方に活躍の場を提供するのが警備現場です。

警備マン

実際に60歳を過ぎた多くの方が大活躍しています。
弊社では80歳近い方も活躍されています!

うつ病だと警備員になれないのか?

うつ病であっても警備業務に支障がないと医師に判断されると、警備員になれます。

警備員として働くためには、警備業務に必要な認知機能や判断能力を備えていて、適切に意思疎通できることを証明する診断書が必要です。

診断書の発行費用は、1,000円~1万円です。

診断書の発行にかかる費用は、企業に負担してもらえる場合もありますが、自己負担の場合が多いです。

警備員の欠格事由を把握しておこう

これまで警備業法における欠格事由について述べてきました。

警備員になりたくてもなれない人がいます。

一方で「自己破産したら警備員になれない」「外国人だから警備会社に雇ってもらえない」と思い込んでいる方もいます。ですが、それらは誤解です。

たとえ前科があっても、定められた条件を満たせば警備員の仕事に就くことができます。

8つの欠格事由をよく確認することが肝心です。

このサイトでは警備員など仕事に関する相談を受け付けています。

警備マン

どんな些細な事でも構いません。どうぞ、お気軽にお問い合わせください。

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