警備員の年齢制限は上限がない一方で、下限が18歳以上と決められているため、若年層が警備に就く場合は年齢制限に注意しましょう。
また60歳を超える場合は、警備の業務内容によっては体力的についていけないこともあります。
この記事では、警備員の年齢制限について解説します。
また、さまざまな警備業務の中でも60代や70代におすすめの業務内容も紹介します。
高齢者の警備業務の満足度についてもお伝えしますので、警備の仕事に就こうかどうか迷っている人は、ぜひ最後までご覧ください。
警備員の年齢制限について
警備員の年齢制限について、上限はありませんが、下限があるため注意しましょう。
年齢制限について詳しく解説するので、参考にしてください。
70歳以上や高齢者でも働ける
警備員の年齢制限には上限がないため、60歳や70歳以上の高齢者でも働けます。
実際に警備の仕事は年齢が高くても取り組みやすいため、多くの高齢者が警備員として働いています。
年齢が高い方でも安心して求人に応募可能です。
18歳未満や高校生は働けない
一方で警備員の年齢制限には下限が存在し、18歳以上でなければ応募できません。
警備業法と呼ばれる法律によって、18歳未満の人が警備員として働くことは禁じられているのです。
警備業法は、社員だけでなくアルバイトにも適用されるため、年齢制限について下限がある点には注意しましょう。
なお18歳以上の高校生は法律上では警備員として働けますが、多くの求人では高校生不可となっています。
そのため、18歳以上の高校生であっても現実には警備員として働くことは難しいと考えられます。
警備員の仕事内容
警備員の仕事内容は、次の4タイプに分かれます。
- 1号業務
- 2号業務
- 3号業務
- 4号業務
各業務について解説します。
1号業務
1号業務には、施設警備などが該当します。
デパートなどの施設の入り口に立って警備をしたり、空港で検査を行ったりして警備業務を行います。
盗難などの小規模な事故やトラブルを抑制したり、防止したりすることが主な役割です。
1号業務は警備業務の半数を占めるといわれているため、警備員が担う代表的な仕事内容といえるでしょう。
2号業務
2号業務には、交通誘導や雑踏警備などが該当します。
たとえば駐車場から出庫する車と、車道を走る車が衝突しないように棒を持って誘導することが仕事です。
工事現場の交通誘導を担当した場合は、事故が起きないように交通誘導を行います。
重機や大型トラック、特殊車両などの出入りが頻繁にあるため、通行者の安全を守ることが任務です。
交通誘導だけでなく、イベント会場でのルート案内などを担当することもあります。
3号業務
3号業務には現金や貴重品の運搬警備などが該当します。
人の目に触れる機会が少なく、一般的にはマイナーな業務区分です。
しかし流通の安全を守ることで、日本経済を支える仕事といえます。
具体的には、貴重品の強奪や危険物の流出などのトラブルを防ぐことが主な業務内容です。
4号業務
4号業務には身辺警護などが該当し、一般では「ボディーガード」と呼ばれる警備業の区分に該当します。
要人や有名人の身辺警護に当たったり、一般人を警護したりして、さまざまな人たちの身の安全を守ります。
SPとは異なり、武器を使用することはないため、その他の警備業務と比べ難易度には大きな差異がありません。
60代や70代の人におすすめの警備員
60歳以上の人におすすめの警備業務は、1号業務と2号業務です。
それぞれについて詳しく解説します。
1号業務「施設警備業務」
1号業務は全般的に落ち着いてできる業務が多く、トラブルが起こらなければ、あまり体力を必要としない仕事です。次の業務が該当します。
- 施設警備業務
- 巡回警備業務
- 保安警備業務
- 機械警備業務
- 空港保安警備業務
「施設警備業務」は定年後の方でも難なく務められる点が、60代以上の方にとっては魅力です。
鍵の管理や施設内巡回などの業務が中心で体力を要しないため、中高年で体力に自信がない方にはおすすめです。
官公庁や事務所、オフィスビル、駐車場、ホテルなどのさまざまな場所で警備を担当します。
2号業務「雑踏警備業務」
60歳以上の方のなかで、体力に自信がある場合は第2号業務もおすすめです。
たとえば雑踏警備員になると、コンサートや大会などのイベントで動線管理や参加者の案内を担当します。
また2号業務では、工事現場や駐車場で車両の交通整理を担当します。
対応力や行動力が必要とされ、仕事に対するやりがいも感じやすい業務内容です。
歩行者や車の往来が少ない工事現場では、警備員が道路の清掃をしたり、職人の簡単な手元作業などを手伝ったりすることもあります。
年齢別の警備員の数と割合
警視庁の調べによると、警備業で働く従業員の年齢や性別の割合は次のとおりです。
引用元:令和3年における警備業の概況|警察庁生活安全局生活安全企画課
表からは50代の警備員の数が、最も多いことがわかります。
また60歳以上が全体の半数近くを占め、5人のうち約1人が70歳以上の警備員です。
警備員の年齢層は高い傾向にあるのですが、働き方には満足しているのでしょうか。
次に、警備員として働く高齢者の満足度について解説します。
警備員として働く高齢者は満足している?
全国警備協会の調べによると、多くの高齢者が警備員の働き方や仕事内容について満足していることがわかりました。
60歳以上を対象に行った警備員の働き方に関する満足度調査の結果は、次のとおりです。
引用元:警備業 高齢者雇用推進 ガイドライン|社団法人 全国警備協会
以上から総合的な満足度では、85%以上が満足と回答していることが分かります。
また仕事内容については、90%以上が満足と回答しています。
年齢に関係なく書ける志望動機例
志望動機で自分をしっかりとアピールすると、年齢に関係なく警備の仕事につけます。
ここでは、警備員で採用されるための志望動機の書き方を例文と共に解説します。
コミュニケーション能力をアピールする
【志望動機の文章例】
私は、これまでに営業としてさまざまな顧客と接する機会に恵まれたため、コミュニケーション能力には自信があります。
警備業務はチーム戦でもあるため、他の警備員と協調して仕事を全うすることが大切だと考えています。
そのため、私が営業で培ったコミュニケーション能力を活かせると思い、貴社を志望しました。
また貴社のホームページを拝見させていただいたところ、所属する警備員がいきいきと働いている姿が垣間見えました。
私も他の警備員と共に社会貢献をしながら、貴社に貢献できればと思います。
ポイント
警備員はチームで活動することもあるため、コミュニケーション力があると効率的に仕事ができます。
コミュニケーション能力が高いから、どんな人とも協調して働けることをアピールするとよいでしょう。
また、志望する企業に貢献できたり、社会貢献できたりするといった利他的な志望動機を入れると相手から評価される可能性があります。
経験者であることをアピールする
【志望動機の文章例】
私は過去に2年間、交通誘導警備員として勤務した経験があります。
警備員として働くなかで、さらにスキルアップして貴社に貢献したいと思っています。
実際に施設警備業務検定2級の資格を取得したため、警備に関してさらに専門的な知見やスキルを会得するにいたりました。
今後は警備業務の経験と資格を活かし、貴社の警備業務に貢献できればと思い、応募させていただきました。
今後もさらなる警備業務におけるスキルアップを目指し、人々を守れるような警備員として、社会貢献をしたいと考えています。
ポイント
警備員の仕事は無資格でも務められますが、経験や資格がある場合はアピールすると採用されやすくなります。
とくに資格を取得している場合は、資格を取得してどのようになれたのか?どのような業務ができるようになったのかまで記載すると、より採用するメリットを相手にアピールできます。
警備員に年齢の上限はない!
警備員には年齢の上限はないため、何歳になっても応募できます。60歳以上の警備員は、概ね働き方に満足している点もポイントです。警備員になろうかどうかと迷っている場合は、まずは気になる企業に応募して話を聞いてみてはいかがでしょうか。