警備員の年収は、年代や会社規模、地域によって大きく異なります。そのため、警備の仕事に就きたい反面、収入が気になってどうしようか迷っている人も多いのではないでしょうか。この記事では、警備の年収について年代別、企業規模別に解説します。大手警備会社の年収や地域別の年収および、時給についても解説するので参考にしてください。
国の調査でわかった警備員の平均年収
令和3年賃金構造基本統計調査によると、警備員の平均年収は338万3千円。ひと月の収入は25万4千円で労働時間は168時間です。時給に換算すると約1,500円になります。本項ではさらに、年代別や企業規模別の平均年収も紹介します。(参考:令和3年賃金構造基本統計調査)
年代別の平均年収
警備員の平均年収を年代別にまとめると次のとおりです。
年代 | 年収 |
20~24歳 | 320万円 |
25~29歳 | 359万円 |
30~34歳 | 394万円 |
35~39歳 | 382万円 |
40~44歳 | 420万円 |
45~49歳 | 400万円 |
50~54歳 | 386万円 |
55~59歳 | 355万円 |
60~64歳 | 295万円 |
65~69歳 | 249万円 |
70歳以上 | 234万円 |
企業規模別の平均年収
希望規模別の警備員が得る平均年収は次のとおりです。
企業規模 | 年収 |
10~99人 | 256万円 |
100~999人 | 312万円 |
1,000人以上 | 410万円 |
企業規模別で年収をみると、社員数が多くなるほどに年収も増加する傾向にあります。とくに1,000人を超える大手の警備会社だと、400万円を超えます。次に、具体的に大手警備会社の平均年収を見ていきましょう。
大手警備会社の平均年収
大手警備会社といえばセコムと綜合警備保障(アルソック)です。テレビCMなどで知っている人も多いのではないでしょうか。ここでは、セコムや綜合警備保障(アルソック)などの大手警備会社の平均年収をお伝えします。
セコムの平均年収
有価証券報告書によるとセコムに務める全社員の平均年収は約595万円です。そのうち警備員の平均年収は、519万円(参考:OPENWORK)。年度別の平均年収は次のとおりです。
年度 | 年収 |
2018年度 | 595万円 |
2019年度 | 595万円 |
2020年度 | 595万円 |
2021年度 | 595万円 |
セコムの平均年収は安定しています。警備業界の最大手はセコムで、セキュリティ事業以外にも防災事業も展開しています。業界最大手で安定した収入を得たい場合は、セコムに就職するとよいでしょう。
綜合警備保障(アルソック)の平均年収
有価証券報告書によると、アルソックの平均年収は約580万円です。そのうち、警備員の年収は477万円(参考:OPENWORK)。年度別の平均年収は次のとおりです。
年度 | 年収 |
2018年度 | 560万円 |
2019年度 | 564万円 |
2020年度 | 578万円 |
2021年度 | 579万円 |
アルソックの平均年収は、増加傾向です。業界大手でもあるため、アルソックに就職すると収入も安定しやすいと考えられます。
警備員の種類別の平均年収
警備員の種類によっても平均年収が異なります。ここでは、次の警備業務について年収を紹介します。
- 施設警備
- 交通誘導警備・雑踏警備
- 輸送警備
- 身辺警備
上記のタイプ別に業務内容と年収を解説するので、参考にしてください。
施設警備
施設警備の平均年収は、約300万円と言われています。施設警備はショッピングセンターや病院などの施設内を巡回する仕事です。犯罪やトラブルが起きないように施設内をチェックしたり、防犯カメラのモニターを監視したりすることが主な業務内容です。
交通誘導警備・雑踏警備
交通誘導警備員や雑踏警備員の平均年収は約230万円といわれています。交通誘導警備や雑踏警備は工事現場や祭り、興行などのイベントで事故が起きないように人や車を誘導する業務を担います。また仕事内容が比較的簡単で、大きなトラブルの発生する機会が少ないため、正社員ではなくアルバイトとして時給で働く警備員が多い点も特徴です。
輸送警備
輸送警備の平均年収は、250万円〜400万円といわれています。輸送警備とは、現金や貴重品、美術品などの運搬時に盗難を防止する仕事です。警備を担当するためには「貴重品運搬警備業務検定2級」が必要です。時間を厳守して仕事を進めるため、常に緊張感を持って業務に臨むことが求められます。
身辺警備
身辺警護の平均年収は450万円〜600万円です。身辺警備とは、有名人のボディガードや、命が狙われる恐れのある人物を警護することが主な業務内容です。警備員の中で最も命の危険があるため、警備のなかでも収入が比較的高額な傾向にあります。
警備員の年収をアップさせる方法
警備員の年収をアップさせるためには次のポイントを押さえるとよいでしょう。
- 資格を取得する
- 働く地域を変える
- 給与の条件が良い職場で働く
それぞれについて解説します。
資格を取得する
警備の仕事で役立つ資格は次のとおりです。
- 警備業務検定
- 機械警備業務管理者
- 貴重品運搬警備業務検定
- 空港保安警備業務検定
- 雑踏警備業務1・2級検定
働く地域を変える
警備員の年収や日当は、働く地域により傾向が異なります。そのため、働く地域を変えると年収を増やせる可能性があります。求人ボックスによると、各地域における警備員の年収は次のとおりです。
地域 | 年収(バイトの時給) |
北海道・東北 | 305万円(時給889円) |
甲信越・北陸 | 338万円(時給968円) |
関東 | 347万円(時給1,029円) |
関西 | 329万円(時給959円) |
東海 | 357万円(時給987円) |
中国 | 328万円(時給934円) |
四国 | 301万円(時給900円) |
九州・沖縄 | 314万円(時給937円) |
(参考:求人ボックス)
働く地域を変える場合は引っ越しなどの手間がかかりますが、収入を増やせる1つの手段といえるでしょう。
給与の条件が良い職場で働く
警備のバイトにて8時間程度の日勤で働いた場合、日当8,000~11,000円が相場です。夜勤であれば、9,000~13,000円といわれています。相場を上回るくらいであれば、給与条件がよいといえるでしょう。逆に相場を下回る場合は、別の警備の仕事を探した方がよいと考えられます。
警備員の給与がよい職場で働こう
警備の仕事につくと正社員の場合は、平均で338万3千円の年収になります。時給換算すると、約1,500円です。アルバイトとして日勤で働いた場合は、日当相場が8,000~11,000円です。夜勤であれば日勤よりも高い傾向にあり、9,000~13,000円といわれています。