荷揚げに役立つ資格とは?玉掛け取得に必要な講習内容についても解説

荷揚げ 資格

荷揚げに役立つ資格はさまざまですが、とくに玉掛の技能講習は使用頻度の高い資格です。今回は、荷揚げに役立つ資格を詳しく解説します。玉掛けの資格取得に必要な講習内容についても触れますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

荷揚げに関係する資格とは

荷揚げは、ビルの建築から戸建て住宅まで、さまざまな現場で必要な仕事です。運搬する資材も多岐に渡り、安全で効率的に荷揚げを行うために多種多様な資格が存在します。

たとえばフォークリフトやクレーンなどの機械を操作するための資格や、職長教育や安全管理責任者などの現場を安全に進めるための資格があります。なかでも、玉掛けの資格は荷揚げの仕事にとって利用頻度の高い資格です。以降では、荷揚げを極めたい人が取っておきたい資格についてさらに詳しく解説します。

荷揚げを極めたい人におすすめの資格

荷揚げを極めたい人におすすめの資格は次のとおりです。

  • フォークリフト運転技能免許
  • 小型移動式クレーン運転技能免許
  • 建設用リフト運転士
  • 安全衛生責任者
  • 職長教育
  • 高所作業車の運転の業務に係る特別教育
  • 巻上げ機の運転の業務に係る特別教育
  • 玉掛け技能講習

以上についてわかりやすく解説します。

フォークリフト運転技能免許

フォークリフトとは、荷物を載せる板状のパレットを移動させるための運搬自動車です。車両には上下前後に動かせるフォーク状の突起が備えられており、それをパレットの差込口に入れて荷物と一緒に持ち上げ運搬します。

最大積載荷重が1トン以上のフォークリフトを運転する場合は、フォークリフト運転技能講習を修了する必要があります。一方で最大積載荷重が1トン未満のフォークリフトは、フォークリフト運転業務に係る特別教育を受けると運転が可能です。

小型移動式クレーン運転技能免許

小型移動式クレーンとは、吊り上げ荷重1トン以上5トン未満の移動式クレーンです。たとえば積載型トラッククレーンやクローラークレーンが、小型移動式クレーンに該当します。

小型移動式クレーンの資格を取得する場合は、業務経験や取得済みの資格で、免除してもらえる科目もあります。そのため保有している資格や業務経験により取得までにかかる時間が13時間~20時間の範囲で異なる点も特徴です。

建設用リフト運転士

建設用リフト運転士とは、建設用リフトの運転業務に関わる特別教育を修了した人をさします。建設用リフトとは資材を運搬するために設置されたエレベーターで、ビル建築や土木工事などで使用されることが多いです。リフトで資材を安全に運搬するためにも、必ず建設用リフト運転士の資格を取得したうえで操作する必要があります。

安全衛生責任者

安全衛生責任者になると、建設業または造船業(特定事業)などの現場で、事業のリーダーとして現場の安全を管理し、責任を負うことになります。

統括安全衛生責任者や関係各所との連絡や調整も安全衛生責任者の仕事です。関係各所には、たとえば工事や建設に参加する2次下請事業者や3次下請事業者などが当てはまります。

職長教育

職長教育では、職場の責任者として作業員の安全と健康を守るため、現場の進行管理や安全管理に必要な知識を身につけます。作業中の従業員を直接指導したり、監督したりする人は必要な教育を受けることが求められます。職長教育を受けたあとに実際の現場で担う役割は、作業手順の決定や改善、作業員に対する教育や指導などです。また、事前に安全な作業環境を整備する役割もあります。

高所作業車の運転の業務に係る特別教育

高所作業車を扱う場合は、事業者が安全や衛生のための特別な教育を実施することが義務付けられています。「高所作業車の運転の業務に係る特別教育」が対象とする高所作業車の高さは、作業床からの高さが10m未満ですが、道路上を走行させる場合は資格の対象から除きます。

巻上げ機の運転の業務に係る特別教育

建設現場や工事現場では資材を上げ下ろししたり、横へ移動したりする際に、巻上げ機がたびたび使われます。巻上げ機を安全に利用するためには、構造を理解するだけではなく、ワイヤーロープや力学、電気に関する知識も必要です。

労働安全衛生法では、事業者が危険または有害な業務で従業員を働かせる場合は、特別教育を行うことが規定されています。巻き上げ機も危険な業務に該当するため、特別教育を受けた上で扱う必要があります。

玉掛け技能講習

玉掛とは、クレーンに取り付けられたフックに荷物をかけて移動させる仕事です。荷物にフックをかけたり取り外したりする作業全般が玉掛けの仕事に該当します。

玉掛のやり方を間違えると、大事故につながるケースもあります。そのため玉掛け作業を行うには、玉掛け技能講習を取得して安全上の知識や操作方法を知っておく必要があるのです。荷揚げ屋において、玉掛け技能講習は最も必要となる資格の1つでしょう。

玉掛け技能講習の内容

玉掛技能講習の内容は次のとおりです。

  • 吊り荷の確認
  • フックの誘導
  • 地切り
  • 巻き上げと着床
  • 荷外しと巻き上げ

各講習内容について解説します。

吊り荷の確認

玉掛けをする前に、吊り荷を指差して質量と重心位置を確認します。講習で吊り荷の確認を忘れると、大きな減点につながるため注意しましょう。吊り荷の確認は次のとおりです。

  1. まずは『吊り荷〇〇〇〇Kg・重心位置ヨシ』と声を出して合図する
  2. 補助者に引き伸ばしを指示し、ロープの長さと太さを確認する
  3. 確認後に『ロープ点検ヨシ』と合図して、補助者には待機を指示する
  4. 機械の準備が完了したら、『待機ヨシ』と合図をして、フックの誘導にうつる

講習会では1つ1つのステップを丁寧に行うことが大切です。

フックの誘導

フックの誘導を行う際は、クレーンを呼び出して誘導位置を示しながら運転者に指示を出します。そしてフックを吊り荷の重心付近の真上に誘導できたら、玉掛けできる高さまで引き下げてもらいましょう。フックが重心位置にあることを確認する際は、2方向からチェックします。

フックが所定の高さになるくらいまでに巻き下げが行われたら、補助者に対して玉掛けの方法を指示してください。運転の誤操作を防ぐためにも、わかりやすい合図を心がけましょう。運転者が操作を誤ると、資材の接触や激突につながる恐れがあります。

地切り

地切りとは、フックに玉掛けをした後にロープを巻き上げ、張り切る直前で停止させることです。地切りをしないと、誤った重心の位置で玉掛をしてしまい、荷揺れを起こし、資材が激突する可能性があります。

地切りをする際は、まずは玉掛けの状態を確認します。その後、吊り角度やロープに異常がないことを確認したら、補助者に退避を指示しましょう。補助者の退避が完了したら、高さ約10cm程度まで資材を吊り一旦停止させます。一旦停止させたら、荷の傾きや玉掛けの状態を点検して確認します。

巻き上げと着床

巻き上げと着床の手順は次のとおりです。

  1. 地切りができたら、クレーンの運転者に指示をして吊り荷を約2mまで巻き上げてもらう。定位置までつり荷を誘導し、荷を高さ10cm程度まで引き下げて一旦停止。
  2. 一旦停止後に、吊り荷を着床位置に合わせたら、正面と側面から確認。
  3. 確認の完了後に、巻き下げを指示してロープの張りがなくなるまで、つり荷を下げる。
  4. 巻き下げが終わったら、補助者に対して荷への歯止めを指示。
  5. 歯止めができたら、荷の安定を確認して『安定ヨシ』の合図を出す

着床の際も安全を確保しながら、丁寧に指示出しを行いましょう。

荷外しと巻き上げ

着床が完了して荷の安定が確認できたら、フックを外せるまで巻き下げて、ロープを緩めます。巻き下げが終わったら、フックからアイを外すように補助者に指示を出してください。アイを外し終わったら、フックを約2mの高さまで巻き上げます。巻き上げが完了したら、運転士に対して作業終了の合図をして敬礼を行いましょう。

荷揚げ関連の資格にチャレンジしてみよう

荷揚げには、さまざまな資格があります。荷揚げを続ける場合は、まずは使用頻度の多い玉掛けを取得してみてはいかがでしょうか。今回は、玉掛け技能講習の内容についても詳しく解説したので、ぜひチェックしてみてください。

弊社では荷揚げを担当する従業員を募集しています。3ヶ月以上の長期にわたり働けるため、荷揚げのスキルを身に付けやすいのではないでしょうか。ぜひ応募してみてください。

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