建て方屋(建て方大工)とは?大工との違いや作業手順、給料について解説!

建て方屋とは、建て方大工とも呼ばれ、家の骨格となる部材を組み立てる職人です。建て方屋に興味がある人のなかには、次のような疑問を抱えている人も多いのではないでしょうか。

「建て方屋(建て方大工)と通常の大工に違いはある?」

「建て方屋の仕事は、どんな内容?」

「一人前の建て方屋になるにはどうすればいい?」

この記事では、建て方屋の基本について分かりやすく解説します。造作大工や施行大工など、他の大工との違いや、仕事の手順、一人前になるために大切なことについて詳しく解説します。建て方屋に興味がある場合は、ぜひ参考にしてください。

目次

建て方屋(建て方大工)とは

建て方屋とは、大工仕事のなかの建て方をメインに担当する人を指し、建て方大工とも呼ばれます。

建て方は、柱や梁などの家の骨格となる部分を木材で組み立てることです。以前は、木材同士をつなぐための継手や仕口を職人がミノやカンナを用いて作っていました。

しかし現在は、現場で組み立てる前に継手や仕口を工場で作成するプレカット工法が主流であり、建て方屋の作業は簡素化されています。

建て方屋と大工の違い

建て方屋は、分業化された大工仕事の1つを担う職業です。つまり建て方屋は大工仕事の一部であるため、建て方屋と大工の意味合いは異なります。

昔は建て方から施行まで同じ大工が担当することが多かったのですが、現在は分業化されています。

次に建て方屋以外の大工の種類について、みていきましょう。

建て方屋以外の大工の種類

建て方屋以外にも、次のような大工の種類があります。

  • 造作大工
  • 外構大工
  • 施行大工
  • 型枠大工

それぞれについて詳しく解説します。

造作大工

造作大工とは、建て方の完了後に、家の内部を作る大工仕事です。木材を加工して、戸口や障子、ふすまなどの木材の建具を取り付けます。他にも、壁や階段、敷居などの室内装飾の仕上げや下地の処理なども造作大工の担当です。

内装の仕上がりは、造作大工にかかっており、造作大工に依頼するとオーダーメイドで間取りに合った家具を設置してもらうこともできます。

外構大工

外構大工とは家の周辺に設ける設備工事を担当する大工です。生垣や門扉、手すり、スロープ、駐車スペースなどの幅広い設備工事に関わるためさまざまな知識が求められます。

家の雰囲気づくりや日当たりの向上などさまざまなニーズに合わせて外構工事が行われます。

施行大工

施行大工とは建て方大工と造作大工の両方を行う仕事です。建て方で家の骨組みを造り、その後に同じ業者が内部まで造作します。

型枠大工

型枠大工とは、ビルや社会インフラを建築する際にコンクリートを流し込むための型枠を作る仕事です。

型枠は構造物を形作るだけではなく、強度にも影響するため、型枠大工には設計通りに型枠を組むための豊富な専門知識と高い技術力が必要な点も特徴です。

建て方を完了するまでの5つの手順

建て方を完了するまでには、次の5つの手順を踏みます。

  • 床断熱材の設置
  • 1階部分の柱を設置
  • 2階の床板を設置
  • 2階の梁を設置
  • 骨組みの施工
  • 野地板の設置

家の基礎工事の後に、床断熱材を設置して、野地板と呼ばれる屋根の下地を設置するまでが建て方屋が担当する仕事です。各工程について解説します。

床断熱材の設置

基礎工事の完了後に、土台を敷き、そこに床断熱材を入れていきます。床断熱材の施工後は、基礎と土台をつなげます。

1階部分の柱を設置

断熱材の設置後、1階部分の柱を土台の上に施行します。柱に必要な木材が、搬入されるので建て方の仕事が忙しくなります。

2階の床板を設置

次に2階部分に床板を設置して、柱を立てていきます。機械で調整できない細かな部分は、立て方屋の職人が手を加えつつ作業を進めます。

2階の梁を設置

柱を設置したあとは、胴差や梁などの横架材を組み立てていきます。建て方屋が連携をして微調整を行いながら、梁を設置していきます。

小屋組みの施工

2階部分の設置作業が完了したら、小屋組みの施行に移ります。小屋組みとは、屋根の骨組みのことを指します。屋根の最上部には棟木と呼ばれる横架材が設置され、この作業を上棟と呼びます。

野地板の設置

最後に野地板を設置して建て方屋の大工仕事が終わります。野地板とは、屋根の下地を指します。小屋組みの上に野地板を設置して、さらにその上に防水シートや瓦などを設置します。建て方屋の担当は、野地板の設置までです。

建て方屋の給与

建て方屋の給与について、大工の収入と建て方屋の日給に分けて解説します。なお、建て方屋の収入について詳しいデータが見つからなかったため、大工の収入と求人票に掲載の日給をもとに説明します。

大工の収入

2023年5月8日の求人ボックスのデータによると、大工の平均年収は約409万円です。月給換算で34万円、初任給は21万円程度が一般的です。

全体の給与幅が281万円~639万円と比較的幅広いため、経験や勤め先、スキルによって収入が大きく異なると考えられます。

大工には棟梁と呼ばれる管理者がいます。棟梁になると、一般の建て方屋よりも収入アップが期待できると考えられます。

棟梁と一般の大工については、次の記事も参考にしてください。

建て方屋の日給

求人ボックスに掲載されている求人票を参考にすると、建て方屋の日給は1万円~2万円程度が相場のようです。8:00~17:00までの勤務が多く、残業をする場合もありますが、基本的に時間内で仕事が終わります。

未経験からでも求人が募集されていることも多く、経験を積んでプロの職人を目指すことも可能です。

一人前の建て方屋になるには?

一人前の建て方屋になるためには、常に優先度を考えながら、仕事に向き合うことが大切です。ここでは、とくに優先度の高い「安全」と「品質」、「効率」について解説します。

安全

建て方屋で働く場合、まずは安全が最優先です。高所作業や重量物の取扱い、重機の使用など危険な作業も多いので、事故が起きると命に関わることもあります。

周囲の状況を確認して、チームの連携を取りながら安全に作業を進めることが大切です。

品質

建物の品質を保つためにも、完了確認を欠かさないことが大切です。たとえば釘の打ち忘れなどがないように責任を持ってチェックしましょう。

また品質管理の責任者である棟梁の指示には、しっかり従って作業を進めることも重要です。

効率

建て方屋の仕事を効率よく進めるためには、常に上る方を優先させるルールを守るようにしましょう。下の方で作業する人は、足場の悪い上の方で作業をしている人を待たせないようにテキパキと仕事をこなすことが大切です。

また全体の作業が滞りなく進むように、いつもと違う状況であっても臨機応変に対応するようにしましょう。

建て方大工を目指してみよう

今回は建て方大工について詳しく解説しました。建て方大工は、家の骨組みを作る専門家です。基礎工事が終わったら、断熱材の設置からはじまり、1階から2階、屋根へと床や梁、柱を組み立てていきます。

建て方大工以外にも、造作大工や施行大工、型枠大工などのさまざまな大工の種類があります。今回はそれぞれの仕事内容についても解説したので、自分に合った大工で働く際には、参考にしてください。

弊社では建て方大工として活躍したい人を募集しています。チームで連携しながら、楽しく働けますので、興味がある方はどうぞ応募してください。

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