「自分の年収がまったく平均に届かない…」
「本当に平均年収はあってる?おかしいのでは?」
以上の疑問を持っていませんか?
平均年収は国税庁が正確な調査をもとに、公表しているデータなので間違いはないと考えられます。では、いったいなぜ平均年収が高く感じられるのでしょうか。
この記事では、平均年収がおかしいと感じられる理由について解説します。さらに年収アップをするための方法も紹介するので、参考にしてください。
平均年収は高すぎておかしい?そもそも日本の平均はいくら?
日本の平均年収が高過ぎておかしいと言われることがありますが、そもそも平均はいくらなのでしょうか。国税庁の発表によると、令和4年12月31日現在の平均給与は、458万円。男女別に見ると男性は563万円で、女性は314万円でした。(※1)
自分が平均年収を下回っていたり、周囲にも平均年収を下回る人が多いと平均がおかしいと感じるのではないでしょうか。
とはいえ国税庁が正確な調査に基づいて割り出したデータなので、間違いはないと考えられます。では、なぜおかしいと思ってしまうのでしょうか。次項では、その理由について解説します。
※1 参考:令和4年分 民間給与実態統計調査|国税庁
平均年収がおかしいと思う理由
平均年収がおかしいと思う理由は、次のとおりです。
- 手取りと年収を混同しているから
- 平均年収を下回る人が多いから
- 地域ごとに年収に差があるから
- 年収には年齢差があるから
- 業種別に差があるから
それぞれについて解説します。
手取りと年収を混同しているから
手取りと年収を混同して、平均年収がおかしいと勘違いしてしまうケースがあるようです。年収は社会保険料や所得税、住民税など諸々の費用が差し引かれる前の額面金額です。
たとえば、東京都在住の25歳が年収456万円を得ている場合、手取り額は約356万円になります。内訳は次のとおりです。
項目 | 年収 | 月収 |
額面収入 | 4,560,000円 | 380,000円 |
所得税 | 108,000円 | 9,000円 |
住民税 | 215,500円 | 17,958円 |
健康保険 | 228,000円 | 19,000円 |
厚生年金 | 417,240円 | 34,770円 |
介護保険 | 0円 | 0円 |
雇用保険 | 27,360円 | 2,280円 |
手取り収入 | 3,563,900円 | 296,991円 |
以上のように、額面年収と手取り年収では約100万円の違いがあります。平均の額面年収を平均の手取り年収と勘違いしてしまうと、平均年収がおかしいと感じられるかもしれません。
平均年収を下回る人が多いから
平均年収を下回る人が上回る人よりも多いため、平均年収がおかしいと感じられるのかもしれません。年収の区分ごとに、該当する人の割合を示すと次のとおりです。
※「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」のデータをもとに作図
日本の平均年収458万円を12等分し、平均月収を計算すると38万円です。上記のグラフを確認すると、平均月収38万円を下回る人の数が、上回る人よりも圧倒的に多いことがわかります。
とくに平均月収20~30万円の人が多く、これを年収に換算すると240万円~360万円。平均に満たない人の方が多いので、平均年収が実際よりも高く印象付けられ、おかしいと感じられるのかもしれません。
地域ごとに年収に差があるから
地域ごとに年収には差があります。年収の低い地域に住む人の年収が平均年収よりも低くなりやすく、おかしいと感じられるのかもしれません。
「令和4年賃金構造基本統計調査(都道府県別)」によると、最も月収が高い地域は東京都で37万5500円でした。これは年収に換算すると、約450万円です。一方で最も賃金が低い地域の月収は青森の24万7600円で、年収に換算すると約297万円です。両者には150万円くらいの差があり、賃金の地域格差が大きいことがわかります。
年収には年齢差があるから
年収には年齢差があります。特に若年層は年収が低い傾向にあるため、平均年収との開きが大きくなるといえます。令和4年賃金構造基本統計調査の概況によると、年齢別の月収は次のとおりです。
▼年齢区分別の平均年収
最も年収が高い年齢は55~59歳の層で月収37万円で、これを年収に換算すると444万円になります。一方で20~24際の月収は21万8500円で、年収にして約262万円です。
両者には200万円近い開きがあり、年齢間のギャップが大きいことがわかります。とくに若年層になると、平均年収にくらべて自分の年収が低いと感じて、おかしいと感じることが多いのかもしれません。
業種別に差があるから
業種別に差があることも、平均年収がおかしいと感じられる原因になりえます。令和4年賃金構造基本統計調査の概況をもとに産業別の賃金を確認すると、最も賃金が高い業種は「電気・ガス・熱供給・水道業」の41万4500円でした。これを年収に換算すると、約497万円。これは日本の平均年収458万円を超える金額です。
一方で、最も賃金が少ない産業は「サービス業(他に分類されないもの)」です。この職業分類には、廃棄物処理業や自動車整備業、労働者派遣サービスなどが含まれます。
平均月収は29万3500円で、年収に換算すると約352万円です。平均年収458万円に比べ、約130万円も下回ることになります。賃金が低い業種で働くと、日本の平均に比べ年収が低く感じやすいのかもしれません。
年収を上げる方法
自分の年収が平均年収に比べ下回っていることに不満がある場合は、年収を上げるように努力するのもおすすめです。次の方法があるので、取り組んでみてください。
- 残業をする
- 資格をとる
- 転職をする
- 上京する
- 副業をする
- 外国で働く
残業をする
年収を上げる最も簡単な方法は、残業をすることです。残業をすると働く時間がふえるため、その分年収アップが期待できます。
とはいえ昨今は働き方改革の影響もあり、残業がしづらい業種も多いのではないでしょうか。残業が難しい場合は、他の方法を考える必要があります。
資格をとる
資格をとると手当がつくことがあるため、年収アップが期待できます。企業によっては推奨資格を設定していることもあり、その資格を取得すると手当を付けてくれることがあります。
しかし資格取得には時間がかかるため、すぐに年収をアップできないことがデメリットです。その一方で資格があると、転職の際に年収アップにつながるメリットがあります。
転職をする
転職をすると年収アップが期待できます。「令和4年雇用動向調査結果の概況」をもとに、転職後の年収がアップした人の割合を年代別に示すと次のとおりです。
年齢区分 | 年収が増加した人の割合 |
19歳以下 | 47.8% |
20~24歳 | 40.5% |
25~29歳 | 45.6% |
30~34歳 | 39.4% |
35~39歳 | 44.9% |
40~44歳 | 38.0% |
45~49歳 | 34.2% |
50~54歳 | 24.9% |
55~59歳 | 29.1% |
60~64歳 | 16.2% |
65歳以上 | 13.0% |
全体 | 34.9% |
※「令和4年雇用動向調査結果の概況」をもとに作表
全年齢でみると、3割以上の人が転職後に年収がアップしたと回答しています。また40歳未満であれば、概ね4割以上の人が年収が増加したと回答しているため、転職による年収アップを目指すのもおすすめです。
その一方で、転職によって年収が減少するリスクがあることも把握しておきましょう。全年齢を対象にすると33.9%の人が転職後に年収が減少したと回答しています。とくに60歳以上になると転職で年収が減少する人が半数以上に上りました。40歳以降は概ね3割以上が年収が減少すると回答しているため、転職には慎重になる必要があるようです。
上京する
東京は日本で最も年収が高い地域にあたるので、地方住まいの場合は上京すると年収アップが期待できます。実際に収入が高いことを理由に、上京する人も多いようです。
とはいえ東京は物価が高い点がデメリットです。家賃も地方住まいよりも多くかかるため、年収アップと生活費の上昇を比較しつつ慎重に検討する必要があります。
次の記事では上京後の暮らしでかかる生活費について解説しているので、参考にしてください。
副業をする
年収をアップしたい場合は、副業をするのもおすすめです。本業と副業を合わせた金額が年収になるので、自分の特技を活かして副業である程度稼げれば大幅な年収アップも期待できます。
しかし勤め先によっては、副業が禁止されていることもあるので、就業規則を確認して副業をはじめましょう。次の記事では、副業におすすめの仕事を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
外国で働く
年収を大幅に伸ばしたい場合は、思い切って外国で働くのも1つの手段です。
2023年は海外に永住する日本人の数が57万人を超え過去最高に到達。(※2)2024年現在、多くの若者が海外に移住して働いています。その背景として海外の実質賃金が上昇する中、日本は横ばい状態が続いている現状があります。
引用:NHK
しかし海外永住を選択するのは、敷居が高いと感じる人も多いのではないでしょうか。そのような場合は、出稼ぎでも十分に稼ぐことは可能なようです。テレ朝のニュースサイトでは、次のような成功談が紹介されていました。
ワーキングホリデーを利用して、去年の春、カナダ・バンクーバーに渡航した、ともみさん。日本で会社員をしていたころの給料は、月20万円ほどだったが、カナダの日本食レストランでホールのアルバイトとして週5日・一日8時間ほど働き、収入は日本で働いていたころの“倍以上”になったという。 引用:テレ朝 |
その一方で、給料の未払いや低い時給での労働を強いられた事例も報告されています。海外出稼ぎは魅力的ですが、目的とする国の事情をしっかりと下調べした上で、海外出稼ぎにチャレンジすることが大切です。
※2:海外在留邦人数調査統計|令和5年(2023年)10月1日現在
平均年収がおかしいと感じる理由は大多数が平均を下回っているから
自分の年収が低い割に日本の平均年収が予想以上に高いと、平均年収の金額をおかしいと感じるケースも多いようです。平均年収はあくまで平均値なので、日本の富裕層が平均値を引き上げると平均値も高くなります。
実際には、平均値を下回る人の方が圧倒的に多いために、自分や周囲の年収を平均値と比べた際に、高いと感じる人も多いのではないでしょうか。
今回は自分の年収に不満がある人に向けて年収をアップさせる方法についても紹介しました。参考にしていただき、年収アップを目指してみてください。
「年収を上げたい!」と思ったら、エクストで副業をやってみてはいかがでしょうか?さまざまな職種を紹介できるので、ぜひご相談ください。